2016年6月8日水曜日

No.186 バイポーラTr.出力段DCパワーアンプ

No.186 バイポーラTr.出力段DCパワーアンプ

バイポーラTr出力段 DC パワーアンプ
No.186 + No.188 
無線と実験2006/2 & 2006/7


(完成:2008年1月20日)

 
初段:2SK177BL/カスコード2SC1775A/定電流2SC1775A
2段目:2SA606/定電流2SC4578
ドライブ段:2SC1161
終段:2SC681
電源:+100V/-120V(初段&2段目)、±36V(出力段)

秘蔵(?)のメタルCANトランジスタの出番だ。コストダウンのために電源を既設から分岐して足りない分だけを作る。

オリジナルからの変更点
・ 電源はダイオード整流。+100Vにはレギュレータを入れた。6AK5による誤差アンプなので立ち上がりの時間遅れを考慮して、終段電源の供給に電子式オンディレイ回路を使用。
 初段と2段目のマイナス電源は共通化し-120Vとする。
  MFB-Controlの省略


No.186 バイポーラTr.出力段DCパワーアンプ

2006/04/02
パーツ調達第一弾。近くの姫路ニノミヤが閉店となり、スイッチやコネクタ、ラグ板などマイナーな部品も通販で調達するしかない。ネット通販で適当なパーツ屋が見つかった(http://www.marutsu.co.jp) 日曜の夜にweb注文したら木曜日の夕方にとどいた。〒一律\500で小奇麗な箱に梱包されてきた。また利用したくなった。
アンプ基盤の配線パターンを回路図で確認しながらCADで書く。記事のパターンは部品面と配線面と分けて書いてあるので作業を間違えやすいし、記事のパターンが間違っているのでCADで書くことにしている。部品面で書いたあと、それをそのまま反転すれば配線面のできあがり。(部品面  配線面
2006/05/01電源を先に作ることにした。終段の±36Vは既設アンプから分岐するが、問題は初段と2段目の電源をどうやってつくるか。ちょっと前に真空管DCパワーアンプ用にRコアトランス(*)を特注で調達していたのでこれを利用する。しかし、+220Vは高すぎ。レギュレータで+100Vまで落とすのも無理があるだろう。ちょうど良い電圧タップが無い。なら、単相3線の200Vが使えないか。電信柱の上のトランスを使うわけだ。これを両波整流すれば130V位が得られるはずだ。リレーを使って200Vの使用/除外を切り替える回路を考えた。回路図(*) Rコアトランスはフェニックス (http://www.pnxcorp.co.jp)にメールで発注した。納期は約2週間とあるが、なんと1週間で手元に届いた。負荷試験成績書もついており、信頼のおける会社だ。単相3線は家を建てるときに200Vのコンセントをつけてもらったもの。本来はここに200V/100Vのステップダウントランスをつないでオーディオ用の電源にするつもりだったのだが、いまだにトランスが買えていない。
 2006/5/5単相3線の200Vを両波整流するのは無理のようだ。整流管がヒートアップして電流が流れ始めたとたんに家のブレーカが作動した。しかも全停。元ブレーカ(ELB)が中性線失相保護付となっており、このような中性線に電流を流す使い方はできないということなのだろう。潔くあきらめて単相100Vを直接整流しよう。半波整流になってしまうが、レギュレータの働きに期待することにした。ただし、単相100Vは必ず接地側がGNDに接続されるように注意だ。回路図

2006/5/6
電源が完成した(写真)。かなりの高密度実装となった。+側のコンデンサは手持ち1000μF(160V) の2個をシリーズにしたのだが、かえってコンパクトにまとまってよかった。レギュレータの出力はほぼ100Vであるが、立ち上がり時113Vくらいまでオーバーシュートすることがある。電源OFF時にはコンデンサのチャージを放電する抵抗をつけた。
2006/6/11アンプ基盤の製作を開始しているが、入力に入っているスケルトン100Ωの場所が回路図とパターン図で違っていることが判明。回路図では入力-アース間の680kΩが100Ωの後に入っているが、100Ωの前に入るのが正しいと思う。MJ2006/7DCアンプ記事では回路図が修正されていた。(この100Ωの目的は何か?真空管DCアンプの記事によると、高gm五極管や三極管の場合にはこのグリッド抵抗を入れないと動作が不安定になるとあるが似たような目的だろうか)
2006/07/22ある方から配線パターンのミスを指摘された。マイナス側終段Tr.E0.1Ωを介してGNDに落ちているというとんでもない間違い。MJ記事を確認すると同じように間違えている。基本的に記事のパターンは信じないほうが良いみたい。配線図は修正したが、実物はまだ修正していない。
2006/10/22電源を変更することにした。MJ2006/7No.188で発表された2段目のマイナス電源を初段のマイナスと共通化し、4電源とする方法。2段目のマイナス電源はドライブ段のそれより低い電位が必要なので、どうしても別電源が必要となる。この際、±120V程度の電源に作り直して、将来真空管プリアンプの電源と兼ねることにしよう。ただし、2段目のプラスは+100Vに抑えないと2SA606の耐圧が持たないのでやはり100Vレギュレータを入れよう。そうなると、真空管式レギュレータの電圧の立ち上がりを待ってドライブ/終段の電源を投入するディレイ回路が必要になる。タイマリレーを使えば遅延回路は簡単なのだが、電子回路で実現する方法をあれこれ考えているうちにMJ2006/11にそのものずばりのディレイ回路が発表された。すばらしい。これをちょっとアレンジ。
1. 
電源投入時にパルス信号でprotection動作に入れているがタイマがカウントアップするまでは強制的にprotection状態にしておくべきなので4040のカウント出力のNOTにてdet端子をゼロ電位に固定する回路を追加した。(Tr.一個追加)
2. カウントアップ時のリセットはNANDゲートと積分CRの組み合わせによるワンショットで行っているが、これを微分CRTr.で実現(NANDゲート一個削除)
3. カウント動作中にprotection表示LEDを点滅させる回路を追加(NANDゲート二個追加)
マイナス電源を-120Vに変更するための考慮
1) 
初段定電流の吸い込みに手持ち5.6kΩスケルトンを追加。(消費電力(120-12)2/5.6k = 2.08[W] なので定格いっぱい)
2) 
2段目定電流Tr.のベース電位固定ツェナーDの抵抗を91kΩに変更し電流を1mA程度に抑える。
3) 
出力DC検出回路Trの耐圧が120Vなのでマイナス電源には47VツェナーDによるレギュレータを追加。
2008/1/14電源をケースに組み込み完成。スイッチオフで終段の電源をすぐにカットしたほうが良いだろう。(スイッチオフのとき、ドライブ段の電源が落ちていく間にポップノイズが出るかもしれない)。そこで、電源スイッチの2回路目を利用して、スイッチオフで保護回路をセットする(DetGNDに落とす)ようにした。 電源ケース内
2008/01/19
1
年半以上もかかってようやく完成。ケースは以前作ったアンプの再利用。アイドリングは200mA程度にした。小さなケースだが全体がヒートシンクになると期待したが、終段Tr.の発熱よりもドライブ段の発熱が多くて中にこもってしまうので良くない。長時間使うとケースのなかは60℃以上になる。
アンプケース内
2008/2/11バイアンプ式にして使ってみる。最初、本機を高音(TW+MID)用にしたが音量を上げたときの高音の歪っぽい音が良くない。やはりエミッタ抵抗は除きたい。低音用に変更すると今度は低音の力強さが少し劣る。でもバイアンプ式は確実に音像が立体的になって、オケ曲は楽器の数が増えたように聞こえる。

2008/5/28
DACが一応完成し聞いているがどうも気に入らない音だ。耳の奥が痛くなってじっくり聴く気がしない。終段Tr.を交換してみることにした。サーミスタの付け替えだけが面倒だ。カッターの刃で剥ぎ取ってエポキシを割りとってから再度接着する。
Tr.は2SC681。どんな音がするのか楽しみだったが、失敗した。出力にダミーロードをつけ忘れて電源を入れたら一瞬にして発振したようで、壊れた。2SC1161もだめ、2段目定電流の2SC4578も片方がだめになっていた。今では2SC4578はもう手に入らないようだ。2SD756で代用しようと思ったがVceoMax=120Vでは耐圧がぎりぎりだ。最近の金田式では2SC2230 (VceoMax=160V)が使われているが、オリジナルの石が欲しい。6C33C-Bハイブリッドアンプに使っているのを思い出した。+電源電圧を50Vにすれば初段のカスコードは省略できる。

2008/6/21
2SC681の音は可もなく不可もなく、2N3055(モトローラ)との差は大きくない。終段Tr.がまた壊れた。高域で発振しているのかもしれない。
Tr.の交換のたびにサーミスタを接着するのは面倒なので、放熱器の中に埋め込んだ。

 
 

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